女将の足跡
令和6年度 宿泊安全対策研修会を開催しました
令和7年2月4日<火>宿泊安全対策研修会を開催いたしました。
講 師: 災害NGO結 (yui) 代表 前原 土武(とむ)氏
テ ー マ: 「平時がすべて」被災地から学ぶ備え
会 場: ホテル暖香園
参加人数: 30名
毎年、全国各地において自然災害が発生しています。女性部では昨年度より引き続き、来る災害に備え
災害対応力の向上を目的に、災害対策の研修会を開催いたしました。
今回は、災害時において今や不可欠な存在となっている災害支援コーディネーターを、活動中の能登よりお迎えしました。
昨年の研修会では、令和4年9月の台風15号により、甚大な被害を被った油山苑の女将より罹災の体験やそこから得られた教訓など伺いましたが、その中で、「災害支援コーディネーター」という災害時復旧への導線を整えてくれる力強い存在を知り、今回の研修会につながりました。
災害現場の調整を得意とする災害ボランティア、災害NGO結 様では発災後24時間以内に現地入りし、現地の様子を把握して関係機関と共有。支援をスタートさせるとのこと。年間約300日現地で活動しており、それが毎年のこと。自然災害は誰もが避けて通れない課題です。
能登の産品をご持参いただき、販売。微力ながら支援に繋がればとの思いです
印象的だったのが「どんなに制度や仕組みができても人が人を支える事しかできない」「平時に出来ないことは非常時に出来ない」との弁。平時から支え合い続けられる地域を持続していく事が万一の際、復旧・復興を押し進めるする力となる。「平時がすべて」を強く感じる研修会でした。
ふじのくにの女将 あけぼの会 事務局
令和6年度 秋の視察研修会を行いました②
≪醤油 栄醬油醸造≫
栄醤油醸造は1795年創業。昔ながらの木桶仕込みで、「丸大豆・小麦・塩」の原材料を活かした天然醸造による醤油づくりを、今も続けています。木桶醤油の国内占有率は1%を切っていると言われており、
大変貴重な醤油です。
◎醤油絞り体験(1人3,500円、12名以上は1人3,000円)
◎醤油蔵見学
大豆(蒸す)、小麦(炒る)、種麹を混ぜ麹室に入れ、麹を作る 出来上がった麹と塩水を木桶に落とす
<課 題>
木桶の寿命は約150年。栄醤油の桶は全て100年を超えているそう。木桶醤油は木桶を作り、修理する職人がいないと成り立たないため、深谷社長は約10年前から全国の醤油蔵と協力して「木桶職人復活プロジェクトを進めているとの事。
熟成したもろみを布でできた袋に入れ、積み重ねる。すると自身の重みと重力で醤油が絞りだされる。搾り粕は料理に利用できる。
食文化の変化や人口減少などで醤油の国内需要が減少を続ける中、栄醤油さんでは新たな販路を求め、
海外輸出に挑むとの事。輸出先は木桶で熟成させるワイン文化が根付く欧米を念頭におくそうです。
来年4月から蔵の新設や木桶の増設などの設備投資が予定されており、それに合わせ、ラベルを一新予定。伝統を守り、受け継いでいくための変化が、今まさに起きようとする中での訪問でした。
ふじのくにの女将 あけぼの会 事務局
令和6年度 秋の視察研修会を行いました①
令和6年12月4日<水>に秋の視察研修会を行いました①
視 察 先:掛川市横須賀(よこすかしろ保存会、㈲栄醤油醸造 ほか)
参加人数:14名
今回の視察研修会では、江戸時代より横須賀城の城下町として栄えた遠州横須賀に伺いました。
同地では日本古来の調味料「さ(砂糖)、し(塩)、す(酢)、せ(醤油)、そ(味噌)」が今でも昔ながらの製法で
作られており、あけぼの会 新年研修会「発酵調味料の魅力」で取り上げた栄醤油醸造様では、醤油蔵
見学と醤油絞り体験を、おひさまテラスでは「よこすかしろ保存会様」による製糖作業とさとうきび畑
を視察しました。
≪砂糖 よこすかしろ≫
江戸時代、土佐の国からさとうきびの苗と製糖技術が伝わったのが始まり。一時期姿を消した「よこすか
しろ」ですが、町づくり事業で復活。よこすかしろ保存会によって伝統の製糖技術が受け継がれました。
しぼり機でさとうきびを絞る 絞られた液を鍋で煮詰めながらアクを取る
煮詰めた後、陶器の中で20分程かき混ぜる パレットに入れて3日間乾燥させる
かつては「よこすかしろ」を使ったラム酒が製造された事も 北限のさとうきび畑
地元の方々の「絶やしたくない」の思いに支えられ、受け継がれている伝統の技と味。
多くの手間がかけられ作られたよこすかしろは、例年12月頃から掛川駅の「これっしか処」や「道の駅掛川」
などで販売されますが、翌1月には売り切れてしまうこともあるそうです。
その②につづく
ふじのくにの女将 あけぼの会 事務局
令和6年 北海道女将の会 交流会を開催いたしました
北海道女将の会様との交流会を開催いたしました。
開 催 日:令和6年10月28日<月> 会 場:待月楼(静岡市)
参加人数:北海道女将の会様12名、あけぼの会21名
富士山静岡空港の開港を機に姉妹会となった北海道女将の会様との交流を重ね今年で15年。
そしてこのたび5年ぶりに北海道より皆さまをお迎えする運びとなり、交流会を開催いたしました。
懇親会に先立ち行った意見交換会では、集客、人材確保についてのお宿での取組や、宿泊税について活発な意見交換が行われました。
懇親会では、懐石料理と静岡茶のマリアージュを楽しむ、茶師 本多英一様によるティーペアリングで北海道の皆さまをおもてなしいたしました。
待月楼さんの確かなお料理と厳選された静岡茶が後押しし、笑顔あふれる会となりました。
ふじのくにの女将 あけぼの会 事務局
令和6年度事業 経営研修会を行いました
令和6年6月11日<火>総会開催後におもてなし事業 経営研修会を開催いたしました。
講 師:熱海温泉ホテル旅館協同組合 理事長 森田 金清 氏(月の栖 熱海聚楽ホテル 代表)
テ ー マ:熱海市宿泊税導入の軌跡
参加人数:41名
宿泊税導入に向けた動きが全国各地で活発化しています。
そこで総会後に開催された研修会では、県内初導入を決めた熱海市で、調整に奔走した
森田理事長より、経緯と1年後に迫った導入への課題を伺いました。
熱海市は年間約300万人の宿泊客が訪れる国内有数の観光地で、観光産業が基幹産業です。
同市が多様化し続ける旅行者に対し、持続可能な観光地として発展し続けていくためには、
地域一体となり、適時適切に対応していく力が必要との事。
しかしながら、これらの観光施策の展開をしていくために財源確保が必要である同市では、
少子高齢化に伴う人口減少による税収減、社会保障費の増加などの課題が増していくことが
今後想定されています。
そこで将来を見据え、観光振興を持続的かつ安定的に高い水準で行っていく為に、観光目的
財源の確保が必要であることから、宿泊税を新設する運びとなったそうです。
また熱海市では導入に先立ち、熱海型DMOの設立が進められており、専門人材の不足といった
課題にも取り組んでいるとの事。
宿泊税導入決定に至るまで、丁寧な過程を積み重ねてきた熱海を引き続き注目していきたく
思います。
ふじのくにの女将 あけぼの会 事務局
令和6年度 通常総会を開催いたしました
令和6年6月11日(火) 起雲閣音楽サロン(熱海市)にて、通常総会を開催いたしました。
32名の会員の皆さまにご参加いただき、盛会のうちに終了することが出来ましたことを、
御礼申し上げます。
令和6年度事業におきましても、ご協力賜りますようお願い申し上げます。
ふじのくにの女将 あけぼの会 事務局
令和5年度 春の宿泊安全対策研修会を行いました
テーマ:被災施設に学ぶ 台風15号からの教訓
講 師:油山苑 女将 大塚 郁美さん
参加人数:14名
毎年、全国各地において自然災害が発生しています。来る災害に備えるため、災害対応力の向上を目的に研修会を開催いたしました。
今回は令和4年9月の台風15号により、甚大な被害を被った油山苑 女将 大塚郁美さんに罹災の体験やそこから得られた教訓など伺いました。
まず発災時、日々の訓練が役に立ち宿泊者26名が垂直避難出来、全員無事であったエピソードから、
日頃より避難訓練、避難経路の確認をしておくことがいかに大切であるかを感じます。
今回の研修会では「災害コーディネーター」という災害時、復旧の導線を整えてくれる力強い存在を知りました。
油山苑さんでは災害NGO結(yui)さんにお世話になったとの事。行政からの支援を要請しつつ、並行して
自ら行動し、災害コーディネーター、災害ボランティアに直接助けを求めて行くことも大事であると
学びました。これは被災経験者ならではの情報です。
インターネットで「災害ボランティア」と検索すると、数多くのボランティア団体が存在し、ホームページや活動レポートから、活動内容を知ることも出来ます。平時より興味を持って情報収取ができます。
最後に災害への備えとは、災害のケースによって違うということの認識をしながら、基本は同じである
こと。そして人とのつながり大切にするとの事です。
甚大な被害を受けながらも、あたたかい人たちとのつながりと、行政からの支援、そしてご自身の並々
ならぬ努力によりリニューアルオープンをむかえた油山苑さん。今後の益々のご繁栄を願ってやみません。
ふじのくにの女将 あけぼの会 事務局
令和5年度新年研修会を開催いたしました②
研修会では静岡県ご当地調味料のテイスティングも行いました。
≪テイスティング≫
左から★栄醤油醸造「濃口醤油」「再仕込み醤油」「うす口醤油」★杉井酒造 純米本味醂「飛鳥山」★カネジュウ食品「あいじろみそ」
研修会後の懇親会では、テイスティングした醤油を実際お食事する中で味わっていただきました。また、地元素材と発酵調味料を使用したメニューを楽しみました。
≪伝統発酵調味料 お宿での取入れ例≫
醤油三種味比べ
研修会でもテイスティングした醤油3種を用意し、実際刺身で味比べを行いました。醤油の味の違いが実感でき、また会話も弾みます。
金目鯛の塩麴焼き(写真中央)
地元の食材である金目鯛と沼津産の塩麹が使用されています。若狭地で味を付けた金目鯛を塩麹に漬けこんで焼かれています。塩麹の風味を生かすため、焼いてから更に塩麹が上に塗られています。塩麹を使うことで、素材の旨味を引き出し、身も柔らかくしっとりと仕上がっています。また、塩麹には消化を助けたり健康を増進する効果もあります。
伝統発酵調味料と向き合うことで、その土地の自然、歴史、食を知ることにつながり、その土地を訪ねる目的になり得ると感じます。地域色感じるおいしいく健康にも良いお料理の提供や地元調味料のご紹介など、おもてなしのひとつするための研鑽を今後も積んで参ります。
ふじのくにの女将 あけぼの会 事務局
令和5年度新年研修会を開催いたしました①
令和6年1月25日(木)新井旅館さんにて新年研修会を開催いたしました。
テーマ:発酵料魅了の魅力~静岡県ご当地調味料の活用~
講 師:近藤 ゆりこ 様
参加人数:34名
女性部、静岡県の食をテーマとした活動の一つとして、日本の食文化に欠かせない伝統発酵調味料について知見の深い講師をお招きし、その魅力と活用方法。特に静岡県のご当地調味料の紹介と活用について講演いただきました。コロナ禍経て健康意識が高まり、伝統発酵食品は免疫力を高めるとして今注目されています。
講演でははじめに伝統発酵調味料とは何か、その魅力についてお話しいただきました。
伝統発酵調味料は日本の四季の変化や微生物の力に委ねながら、作り手の五感や経験を活かしつつゆっくりと丁寧に作られており、日本の伝統工芸品と同様の美しさが感じられます。そこでは「麹菌」という微生物も関与し、うま味や甘味が作り出され、味や香りが複雑になり、奥行きのあるある味わいへと導きます。これが日本の伝統発酵調味料の大きな特徴、魅力につながります。
つづいて静岡県内のご当地調味料の紹介と活用についてお話いただきました。
【 醤油 】
(有)栄醤油醸造 掛川市横須賀38
江戸時代、寛政7年創業の醤油醸造元。昔ながらの木桶造りにこだわり、「丸大豆・小麦・塩」の原料を活かした天然醸造による醤油造りを今なお続けられている。
〇栄醤油(濃口醤油)、〇栄甘露醤油(再仕込み醤油)、〇うすくち醤油
全国シェア1%の貴重な再仕込み醤油が静岡県内で醸造されている。その上、木桶仕込みの醤油は国産全体の1%を切っていると言われており、大変希少な醤油が静岡県内で手に入る。
【 味醂 】
杉井酒造 藤枝市小石川町4丁目6番4号
創業は天保9(1838)年。純米本みりん「飛鳥山」は静岡県で生産されている唯一の本みりん。大正年間に焼津港周辺の水産練り物の原料としての需要に応えるため製造を始めたのがきっかけ。原料には粳米で造った麹ともち米、それに米から造った本格焼酎を用いられている。
〇純米本みりん「飛鳥山」
調味料としてのみならず、デザート酒としてそのままでも楽しめる。
【 味噌 】
カネジュウ食品㈱ 焼津市吉永7-1
はじまりは江戸時代中期。創業以来三百年、頑なに守ってきた伝統の味。京都の白みそと田舎味噌の特徴を合わせもつ(相伴う)ことから「相白(あいじろ)みそ」と呼ばれるようになる。
〇あいじろみそ
東海道丸子宿のとろろ汁や葉生姜のつけ味噌など、静岡の豊富な食材と共に使用されている。
研修会では静岡県ご当地調味料のテイスティングも行いました。
令和5年度新年研修会を開催いたしました②へつづく
令和5年度事業 秋のおもてなし研修会を開催③
地域活性化に取り組む三ケ日町を現地視察いたしました。
≪ 浜名湖クルージング ≫
オフィスナッツ運行の浜名湖クルージングを体験。ヤマハマリーナ浜名湖様より乗船しました。
オフィスナッツでは約70分、9,900円(お1人様)からクルーズが体験できます。
今回は30分程の体験でしたが、皆さんの顔から笑顔があふれる体験でした。
下船にはリステル浜名湖さんの桟橋をお借りしました。 リステル浜名湖さんでは最新の湖上アクティビティが楽しめます。
≪ 乎那の邑 美と善 ≫
レストラン、ショップ、宿泊施設を併設した複合施設「乎那の邑 美と善」を視察。
古民家をリノベーションした宿泊施設とショップは12月にオープン予定。「自然と調和した衣食住」をコンセプトにしており、レストランではオーガニックや地元食材を使った「おいしくて健康によい」メニューが提供されるそうです。三ケ日町の老舗菓子店「入河屋」が手掛けています。
その後、浜名湖畔にある「長坂養蜂場」「入河屋」を視察。平日にも関わらず、お客様が途切れることなく訪れていました。
地元三ケ日を盛り上げたいと尽力する若い力を感じる視察でした。
ふじのくにの女将 あけぼの会 事務局