2024-12
令和6年度 秋の視察研修会を行いました②
≪醤油 栄醬油醸造≫
栄醤油醸造は1795年創業。昔ながらの木桶仕込みで、「丸大豆・小麦・塩」の原材料を活かした天然醸造による醤油づくりを、今も続けています。木桶醤油の国内占有率は1%を切っていると言われており、
大変貴重な醤油です。
◎醤油絞り体験(1人3,500円、12名以上は1人3,000円)
◎醤油蔵見学
大豆(蒸す)、小麦(炒る)、種麹を混ぜ麹室に入れ、麹を作る 出来上がった麹と塩水を木桶に落とす
<課 題>
木桶の寿命は約150年。栄醤油の桶は全て100年を超えているそう。木桶醤油は木桶を作り、修理する職人がいないと成り立たないため、深谷社長は約10年前から全国の醤油蔵と協力して「木桶職人復活プロジェクトを進めているとの事。
熟成したもろみを布でできた袋に入れ、積み重ねる。すると自身の重みと重力で醤油が絞りだされる。搾り粕は料理に利用できる。
食文化の変化や人口減少などで醤油の国内需要が減少を続ける中、栄醤油さんでは新たな販路を求め、
海外輸出に挑むとの事。輸出先は木桶で熟成させるワイン文化が根付く欧米を念頭におくそうです。
来年4月から蔵の新設や木桶の増設などの設備投資が予定されており、それに合わせ、ラベルを一新予定。伝統を守り、受け継いでいくための変化が、今まさに起きようとする中での訪問でした。
ふじのくにの女将 あけぼの会 事務局
令和6年度 秋の視察研修会を行いました①
令和6年12月4日<水>に秋の視察研修会を行いました①
視 察 先:掛川市横須賀(よこすかしろ保存会、㈲栄醤油醸造 ほか)
参加人数:14名
今回の視察研修会では、江戸時代より横須賀城の城下町として栄えた遠州横須賀に伺いました。
同地では日本古来の調味料「さ(砂糖)、し(塩)、す(酢)、せ(醤油)、そ(味噌)」が今でも昔ながらの製法で
作られており、あけぼの会 新年研修会「発酵調味料の魅力」で取り上げた栄醤油醸造様では、醤油蔵
見学と醤油絞り体験を、おひさまテラスでは「よこすかしろ保存会様」による製糖作業とさとうきび畑
を視察しました。
≪砂糖 よこすかしろ≫
江戸時代、土佐の国からさとうきびの苗と製糖技術が伝わったのが始まり。一時期姿を消した「よこすか
しろ」ですが、町づくり事業で復活。よこすかしろ保存会によって伝統の製糖技術が受け継がれました。
しぼり機でさとうきびを絞る 絞られた液を鍋で煮詰めながらアクを取る
煮詰めた後、陶器の中で20分程かき混ぜる パレットに入れて3日間乾燥させる
かつては「よこすかしろ」を使ったラム酒が製造された事も 北限のさとうきび畑
地元の方々の「絶やしたくない」の思いに支えられ、受け継がれている伝統の技と味。
多くの手間がかけられ作られたよこすかしろは、例年12月頃から掛川駅の「これっしか処」や「道の駅掛川」
などで販売されますが、翌1月には売り切れてしまうこともあるそうです。
その②につづく
ふじのくにの女将 あけぼの会 事務局