女将の足跡
令和6年北海道女将の会 交流会を開催いたしました
北海道女将の会様との交流会を開催いたしました。
開 催 日:令和6年10月28日<月> 会 場:待月楼(静岡市)
参加人数:北海道女将の会様12名、あけぼの会21名
富士山静岡空港の開港を機に姉妹会となった北海道女将の会様との交流を重ね今年で15年。
そしてこのたび5年ぶりに北海道より皆さまをお迎えする運びとなり、交流会を開催いたしました。
懇親会に先立ち行った意見交換会では、集客、人材確保についてのお宿での取組や、宿泊税について活発な意見交換が行われました。
懇親会では、懐石料理と静岡茶のマリアージュを楽しむ、茶師 本多英一様によるティーペアリングで北海道の皆さまをおもてなしいたしました。
待月楼さんの確かなお料理と厳選された静岡茶が後押しし、笑顔あふれる会となりました。
ふじのくにの女将 あけぼの会 事務局
令和6年度事業 経営研修会を行いました
令和6年6月11日<火>総会開催後におもてなし事業 経営研修会を開催いたしました。
講 師:熱海温泉ホテル旅館協同組合 理事長 森田 金清 氏(月の栖 熱海聚楽ホテル 代表)
テ ー マ:熱海市宿泊税導入の軌跡
参加人数:41名
宿泊税導入に向けた動きが全国各地で活発化しています。
そこで総会後に開催された研修会では、県内初導入を決めた熱海市で、調整に奔走した
森田理事長より、経緯と1年後に迫った導入への課題を伺いました。
熱海市は年間約300万人の宿泊客が訪れる国内有数の観光地で、観光産業が基幹産業です。
同市が多様化し続ける旅行者に対し、持続可能な観光地として発展し続けていくためには、
地域一体となり、適時適切に対応していく力が必要との事。
しかしながら、これらの観光施策の展開をしていくために財源確保が必要である同市では、
少子高齢化に伴う人口減少による税収減、社会保障費の増加などの課題が増していくことが
今後想定されています。
そこで将来を見据え、観光振興を持続的かつ安定的に高い水準で行っていく為に、観光目的
財源の確保が必要であることから、宿泊税を新設する運びとなったそうです。
また熱海市では導入に先立ち、熱海型DMOの設立が進められており、専門人材の不足といった
課題にも取り組んでいるとの事。
宿泊税導入決定に至るまで、丁寧な過程を積み重ねてきた熱海を引き続き注目していきたく
思います。
ふじのくにの女将 あけぼの会 事務局
令和6年度 通常総会を開催いたしました
令和6年6月11日(火) 起雲閣音楽サロン(熱海市)にて、通常総会を開催いたしました。
32名の会員の皆さまにご参加いただき、盛会のうちに終了することが出来ましたことを、
御礼申し上げます。
令和6年度事業におきましても、ご協力賜りますようお願い申し上げます。
ふじのくにの女将 あけぼの会 事務局
令和5年度 春の宿泊安全対策研修会を行いました
テーマ:被災施設に学ぶ 台風15号からの教訓
講 師:油山苑 女将 大塚 郁美さん
参加人数:14名
毎年、全国各地において自然災害が発生しています。来る災害に備えるため、災害対応力の向上を目的に研修会を開催いたしました。
今回は令和4年9月の台風15号により、甚大な被害を被った油山苑 女将 大塚郁美さんに罹災の体験やそこから得られた教訓など伺いました。
まず発災時、日々の訓練が役に立ち宿泊者26名が垂直避難出来、全員無事であったエピソードから、
日頃より避難訓練、避難経路の確認をしておくことがいかに大切であるかを感じます。
今回の研修会では「災害コーディネーター」という災害時、復旧の導線を整えてくれる力強い存在を知りました。
油山苑さんでは災害NGO結(yui)さんにお世話になったとの事。行政からの支援を要請しつつ、並行して
自ら行動し、災害コーディネーター、災害ボランティアに直接助けを求めて行くことも大事であると
学びました。これは被災経験者ならではの情報です。
インターネットで「災害ボランティア」と検索すると、数多くのボランティア団体が存在し、ホームページや活動レポートから、活動内容を知ることも出来ます。平時より興味を持って情報収取ができます。
最後に災害への備えとは、災害のケースによって違うということの認識をしながら、基本は同じである
こと。そして人とのつながり大切にするとの事です。
甚大な被害を受けながらも、あたたかい人たちとのつながりと、行政からの支援、そしてご自身の並々
ならぬ努力によりリニューアルオープンをむかえた油山苑さん。今後の益々のご繁栄を願ってやみません。
ふじのくにの女将 あけぼの会 事務局
令和5年度新年研修会を開催いたしました②
研修会では静岡県ご当地調味料のテイスティングも行いました。
≪テイスティング≫
左から★栄醤油醸造「濃口醤油」「再仕込み醤油」「うす口醤油」★杉井酒造 純米本味醂「飛鳥山」★カネジュウ食品「あいじろみそ」
研修会後の懇親会では、テイスティングした醤油を実際お食事する中で味わっていただきました。また、地元素材と発酵調味料を使用したメニューを楽しみました。
≪伝統発酵調味料 お宿での取入れ例≫
醤油三種味比べ
研修会でもテイスティングした醤油3種を用意し、実際刺身で味比べを行いました。醤油の味の違いが実感でき、また会話も弾みます。
金目鯛の塩麴焼き(写真中央)
地元の食材である金目鯛と沼津産の塩麹が使用されています。若狭地で味を付けた金目鯛を塩麹に漬けこんで焼かれています。塩麹の風味を生かすため、焼いてから更に塩麹が上に塗られています。塩麹を使うことで、素材の旨味を引き出し、身も柔らかくしっとりと仕上がっています。また、塩麹には消化を助けたり健康を増進する効果もあります。
伝統発酵調味料と向き合うことで、その土地の自然、歴史、食を知ることにつながり、その土地を訪ねる目的になり得ると感じます。地域色感じるおいしいく健康にも良いお料理の提供や地元調味料のご紹介など、おもてなしのひとつするための研鑽を今後も積んで参ります。
ふじのくにの女将 あけぼの会 事務局
令和5年度新年研修会を開催いたしました①
令和6年1月25日(木)新井旅館さんにて新年研修会を開催いたしました。
テーマ:発酵料魅了の魅力~静岡県ご当地調味料の活用~
講 師:近藤 ゆりこ 様
参加人数:34名
女性部、静岡県の食をテーマとした活動の一つとして、日本の食文化に欠かせない伝統発酵調味料について知見の深い講師をお招きし、その魅力と活用方法。特に静岡県のご当地調味料の紹介と活用について講演いただきました。コロナ禍経て健康意識が高まり、伝統発酵食品は免疫力を高めるとして今注目されています。
講演でははじめに伝統発酵調味料とは何か、その魅力についてお話しいただきました。
伝統発酵調味料は日本の四季の変化や微生物の力に委ねながら、作り手の五感や経験を活かしつつゆっくりと丁寧に作られており、日本の伝統工芸品と同様の美しさが感じられます。そこでは「麹菌」という微生物も関与し、うま味や甘味が作り出され、味や香りが複雑になり、奥行きのあるある味わいへと導きます。これが日本の伝統発酵調味料の大きな特徴、魅力につながります。
つづいて静岡県内のご当地調味料の紹介と活用についてお話いただきました。
【 醤油 】
(有)栄醤油醸造 掛川市横須賀38
江戸時代、寛政7年創業の醤油醸造元。昔ながらの木桶造りにこだわり、「丸大豆・小麦・塩」の原料を活かした天然醸造による醤油造りを今なお続けられている。
〇栄醤油(濃口醤油)、〇栄甘露醤油(再仕込み醤油)、〇うすくち醤油
全国シェア1%の貴重な再仕込み醤油が静岡県内で醸造されている。その上、木桶仕込みの醤油は国産全体の1%を切っていると言われており、大変希少な醤油が静岡県内で手に入る。
【 味醂 】
杉井酒造 藤枝市小石川町4丁目6番4号
創業は天保9(1838)年。純米本みりん「飛鳥山」は静岡県で生産されている唯一の本みりん。大正年間に焼津港周辺の水産練り物の原料としての需要に応えるため製造を始めたのがきっかけ。原料には粳米で造った麹ともち米、それに米から造った本格焼酎を用いられている。
〇純米本みりん「飛鳥山」
調味料としてのみならず、デザート酒としてそのままでも楽しめる。
【 味噌 】
カネジュウ食品㈱ 焼津市吉永7-1
はじまりは江戸時代中期。創業以来三百年、頑なに守ってきた伝統の味。京都の白みそと田舎味噌の特徴を合わせもつ(相伴う)ことから「相白(あいじろ)みそ」と呼ばれるようになる。
〇あいじろみそ
東海道丸子宿のとろろ汁や葉生姜のつけ味噌など、静岡の豊富な食材と共に使用されている。
研修会では静岡県ご当地調味料のテイスティングも行いました。
令和5年度新年研修会を開催いたしました②へつづく
令和5年度事業 秋のおもてなし研修会を開催③
地域活性化に取り組む三ケ日町を現地視察いたしました。
≪ 浜名湖クルージング ≫
オフィスナッツ運行の浜名湖クルージングを体験。ヤマハマリーナ浜名湖様より乗船しました。
オフィスナッツでは約70分、9,900円(お1人様)からクルーズが体験できます。
今回は30分程の体験でしたが、皆さんの顔から笑顔があふれる体験でした。
下船にはリステル浜名湖さんの桟橋をお借りしました。 リステル浜名湖さんでは最新の湖上アクティビティが楽しめます。
≪ 乎那の邑 美と善 ≫
レストラン、ショップ、宿泊施設を併設した複合施設「乎那の邑 美と善」を視察。
古民家をリノベーションした宿泊施設とショップは12月にオープン予定。「自然と調和した衣食住」をコンセプトにしており、レストランではオーガニックや地元食材を使った「おいしくて健康によい」メニューが提供されるそうです。三ケ日町の老舗菓子店「入河屋」が手掛けています。
その後、浜名湖畔にある「長坂養蜂場」「入河屋」を視察。平日にも関わらず、お客様が途切れることなく訪れていました。
地元三ケ日を盛り上げたいと尽力する若い力を感じる視察でした。
ふじのくにの女将 あけぼの会 事務局
令和5年度事業 秋のおもてなし研修会を開催②
中村様による講演研修会後、株式会社ブルーレイクプロジェクト(以下BLP)の共同代表3名をお招きし、
お話を伺いました。
BLPは地域の困りごとの解決や環境問題に取り組むなど、社会貢献をビジネス化した組織です。プロジェクトの1つとして地元三ケ日、摘果青みかんの生産ロス解決のため「青みかんプロジェクト」に取り組んでおり「三ケ日青みかんスカッシュ」、クラフトビール「BLUE HEAVEN」、青みかんシャンプーが生み出されました。
中村様からMOTTAINAI戦略を受け継ぎ、見事事業化させた好事例に直接触れる貴重な時間でした。
三ケ日現地視察編につづきます
令和5年度事業 秋のおもてなし研修会を開催①
令和5年10月19日<木>に秋のおもてなし研修会を開催いたしました。
講 師:株式会社フードランド 代表取締役社長 中村 健二 氏
テ ー マ:SDGs時代のMOTTAINAI戦略とそのシナリオ実例
参加人数:45名
昨年度より静岡県ではガストロノミーツーリズムの推進がされており、県内各地で関連事業、イベントが開催されています。女性部といたしましても、今年度は食をテーマに活動をしております。
今回の研修会では、アイディアマンである中村様に、地域の特産物、既存のものから新しい価値を生み出すヒントを講演いただきました。
講師の中村様は大学卒業後、家業である食肉の卸業に従事しながら、地元三ケ日町の課題であった
「廃棄みかん」の商品化に取り組みます。
数々の失敗を繰り返しながらも本業で培った技術を活かし、応用することで、みかんの液状化に成功。「三ケ日青みかんスカッシュ」など、数々の商品開発に貢献しています。
MOTTAINAI戦略から生まれた事例の数々をお話しいただきました。
●みかんの皮に含まれるポリフェノールによる緑内障治療の可能性あるとの研究結果がある。
●とうもろこしの芯からキシリトールを製造。砂糖の代替甘味料として提供されている。
●静岡県と同様にみかんの産地である愛媛県では、みかん搾汁残さから、バイオエタノールを製造する
プラントがあり、技術開発が進められている。
経営環境の急激な変化により宿泊業が抱える課題は尽きません。
捨てられていた物から柔軟な思考と行動力によって新たな価値を作り出し、課題解決の糸口とする。
意識を新たにした研修会となりました。
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左:輸入牛の軟化技術を応用し、廃棄される摘果みかんを皮ごと、袋ごと、まるごと液状化した「三ケ日みかんピューレ」。この技術はクラウンメロンやシャインマスカットなど、他の食品にも応用されている。
右:ピューレを使った商品の一例「三ケ日青みかんスカッシュ」。中村氏に刺激を受け、地元三ケ日町の地域振興に取り組む組織として立ち上げられた株式会社ブルーレイクプロジェクトと、地元の人気店長坂養蜂場とのコラボレーションにより誕生した商品。
ふじのくにの女将 あけぼの会 事務局 ②に続きます
令和5年度事業 経営研修会を行いました
令和5年6月7日<水>総会開催後におもてなし事業 経営研修会を開催いたしました。
講 師:株式会社博報堂ケトル クリエイティブディレクター 皆川 壮一郎 氏
テ ー マ:SNS時代における旅館/ホテルの作り方
参加人数:27名
コロナ禍を経験したことで、人々の考え方、価値観が急激に変化しています。本研修会では宿泊業として、変わりゆく世の中に素早く対応するためのヒントを、多角的な視点から語っていただきたく開催致しました。
皆川様はこれまでクリエイティブディレクターとして、幅広い業界でクライアントの課題解決を手掛けていらっしゃいました。近年では、東京下町、西新井の銭湯「堀田湯」のリニューアルに従事。改装後、客数が前年比の6倍になったと言う実績をお持ちです。
また昨年5月に建て替えに伴い一時閉店になった、三省堂書店神保町本店の屋外広告、店内ポスターにも携わっていらっしゃいます。
今回は数ある経験の中から、当組合員のリニューアルプロジェクトを例にお話しいただきました。
最低限のコストで最大の集客を結びつけるためには、というSNS時代のPR視点より、人気のお宿を分析。そこから人気のお宿では①宿の価値が言語化され、②印象的な「一枚絵」がある事を導き出します。
そこでリニューアルにあたり、まずはお宿とのコミュニケーションを重ねる中で、新コンセプトを打ち出します。
そして明確になったゴールに向け、各業界のプロフェショナル達が終結。腕を振るい、リニューアルが完成しました。
お宿の良さを①一言で言えますか ②象徴する「1枚絵」ありますか がSNS時代におけるリブランディングのキーワードです。
しかしながら自身の良さはなかなか見えず、自覚し難く、多くのお宿にとって難しい課題であります。
研修会終了後の質疑応答では、多くの参加者から活発なご質問、課題解決に向けたご相談が寄せられ、
大盛況のうちに終了しました。
ふじのくにしずおか ホテル旅館 女将 あけぼの会 事務局